今回取り上げる幸せの名言は、チャールズ・M・シュルツの漫画『ピーナッツ』の主要キャラクターであるスヌーピーの名言「配られたカードで勝負するしかないのさ」です。
スヌーピーのキャラクター像
スヌーピーは、漫画『ピーナッツ』の主人公・チャーリー・ブラウンの”飼い犬(ビーグル犬)”ですが、同漫画でもっとも人気のあるキャラクターとして世界中で愛されています。
そんなスヌーピーのキャラクター像は、非常に想像力豊かな夢想家であり、ときに哲学的な一面を見せることでも知られています。
スヌーピーは普段は犬小屋の上で過ごすことが多いですが、彼の想像力は無限大で、頭の中でさまざな姿になったり、色々なところへ行ったりいます。自ら戦闘機パイロットになり、第一次世界大戦のドイツ軍のエースパイロット「レッドバロン」と戦ったり、有名な作家や探偵、さらには宇宙飛行士になったりと、さまざまな”可能性”に変身します。
また、スヌーピーはよく、哲学的な考えや皮肉を述べたりもします。彼の発する言葉には、時折深い洞察や人生に対するユーモラスな見解を見出すことができ、読者に笑いを提供しながらも、ハッと考えさせられるようなことも少なくありません。
そして、スヌーピーは自分のアイデンティティを模索し続けるキャラクターでもあります。彼は単なる犬であることに満足せず、常に新しい役割や冒険を求めている姿が作中で描かれます。彼が持つメンタリティは非常にダイナミックで、彼の成長や変化していこうとする姿はときに私たちを勇気づけてくれるのです。
スヌーピーの名言「配られたカードで勝負するしかないのさ」
今回紹介する名言は、作中で口うるさく、わがままなキャラクターとして描かれる女の子・ルーシーのちょっと意地悪な一言から始まります。
ルーシー「Sometimes I woder how you can stand being just a dog.(ときどき、どうしてあなたが “ただの犬” でいることに耐えられるのか、不思議に思うわ。)」
それに対してスヌーピーは、こともなげに(心の中で)言葉を返すのです。
スヌーピー「You play with the cards you’re dealt. (配られたカードで勝負するしかないのさ。)」
さらに、いつものように屋根の上に寝転び、目を閉じて付け足します。
スヌーピー「Whatever that means.(そのカードに何の意味があるのかは知らないけれどね。)」
「配られたカードで勝負するしかないのさ」に込められた意味
スヌーピーの言葉「配られたカードで勝負するしかないのさ(You play with the cards you’re dealt.)」からは、さまざまな意味・思いを読み取ることができます。
1.自らの運命を受け入れること
「与えられたカードで勝負する」というには、自分が置かれた状況や運命を受け入れ、その中で最善を尽くさなければならない、というメッセージが込められています。
スヌーピーは「犬」であり、その運命から逃れ、例えば人間になることはできません。自分の力ではどうしようもない状況や環境を嘆くのではなく、その中でできることを見つけ、前向きに生きる姿勢こそが大切なのだと説いていることがわかります。
人生では自分ではコントロールできない出来事がたくさん起こります。その中でどのように考え行動し、どのようにして前に進むかは、自分次第です。
2.自分の力を駆使し工夫すること
この言葉はさらに、「自分に与えられた条件」の中で最善の結果を引き出すために、自分の能力や工夫を最大限に活かすことを促しています。
メタファーとして語られる「カードゲーム」では、自分の手元にあるカードをどう使うかが勝負を決める重要な要素になります。同じように、人生においても自分に与えられた(あるいは、これまでに努力で手に入れた)外見や能力、スキルをどのように活用するかが鍵となることを示唆しています。
3.楽観的に人生を捉えること
このの言葉には、現実を受け入れながらも楽観的に捉える姿勢も感じることができます。「〜するしかない」というのは、一見諦めの言葉にも感じられますが、スヌーピーの「ないのさ」という言葉の軽さが、むしろポジティブなニュアンスを与えてくれます。
「そんな肩肘張るなよ」「もっと気楽に行こうよ」そんな言葉まで聞こえてきそうです。
4.現実主義
一方で、この言葉は「それが現実だろう?」「ジタバタしたってしょうがないじゃないか」現実主義的な、皮肉屋らしい視点も感じられます。
現実を俯瞰して見つめること、その上でできることを冷静に考えていくことの重要性を教えてくれます。
自分に置き換えてみる
人は誰しも、「生まれ」を選択することはできません。生まれる国や時代、家柄、親、体質、能力……誰もが、生まれ持って与えられた特性があります。それがあなたや私に「配られたカード」です。
それぞれの人が違った「カード」を持っており、だからこそカードの生かし方も人それぞれ違います。どうやって生かすかは本人に委ねられ、本人がその責任を追うことになります。
自分の人生を最大限良いものにするには、「配られたカード」をよく知ることから始めなければなりません。あなたの手元には、一体どんな「カード」があるでしょうか?そのカードはどんなところで役に立ちそうですか?また、どのタイミングでカードを切ればよいでしょうか?
スヌーピーが言うように、そのカードにどんな意味があるかは誰にもわかりません。もしかしたら、想像だにしないところで役に立つこともあるかもしれません。あなたにも、私にも、その可能性があるのです。
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