今回取り上げるのは、詩人・相田みつをさんにより有名な一節「しあわせは いつも自分のこころがきめる」です。
今なお 心を揺さぶる、相田みつをの言葉
栃木県足利市に生まれた相田みつを(1924年-1991年)さんは、詩人であり書家としてもよく知られる人物です。「にんげんだもの」などで知られる相田さんの作品は、日常の中で感じる喜びや悲しみ、心の機微を素直に表現した詩と書が特徴です。
私も、必要な人間なのだ。
私自身も彼の紡ぎ出す言葉に何度勇気づけられてきたか分かりません。
花を支える枝
枝を支える幹
幹を支える根
根はみえねんだなあ
決して表には出ない裏方的な仕事をしていたことがありました。称賛されるのは表に出る、目立つ人たち。そのくせ、トラブルの責任は裏側に回ってきたりするのです。つらい気持ちにもなります。そんなとき、私はいつもこの言葉を思い出しました。
根がなければ、花は美しく咲くことはできません。「あなたはいなけれなならない人なのだ」「立派な役割を果たしているのだ」と励ましてもらっているような。この言葉を思い浮かべると、何か自分自身を認めてもらったような温かい気持ちになり、目頭が熱くなってしまうのです。
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相田みつをさんの詩は、シンプルながら深い洞察を持ち、愛や人間関係、自分自身との向き合い方などをテーマにしているものが多いように感じます。
しあわせは いつも自分のこころがきめる
今回取り上げる「しあわせは いつも自分のこころがきめる」という言葉は、幸福が外部の状況によってではなく、自分の心の持ち方によって決まる、つまり、幸せとは心の状態に依存しているのだという気づきを与えてくれます。
内面的な幸福の重要性
そもそも、「幸せ」とはなんでしょうか?多くの人々は、成功や富、地位といった外部の要因が幸福をもたらす、あるいはそれこそが幸福であるとイメージしがちです。それは、今まさに自分が置かれている状況が「幸せでない」と感じている場合に、自分にないものの象徴としてイメージしやすいからです。
しかし、相田みつをさんのこの詩では、それが真の幸福ではないと看破しています。この言葉は、幸福が外部の環境や物質的なものによって左右されるわけではないということを強調しているのです。
幸せの主観性
「しあわせは いつも自分のこころがきめる」という言葉は、幸せが主観的なものであることを示しています。
例えば、同じ状況にあっても、それをどう捉えるか個々の心の在り方や感じ方によって異なります。同じ出来事でも、ある人にとっては幸福と感じられることが、別の人にとっては不幸と感じられるかもしれません。これは、私たちが自分の経験や状況をどう受け取り、どう感じるかにかかっているからです。
この言葉はまた、心の持ち方がいかに重要かを教えてくれます。どんなに困難な状況にあっても、前向きな心を持つことで幸せを見出すことができます。逆に、どんなに恵まれた状況にあっても、心が否定的であれば幸福を感じることはできません。
つまり、感謝の心を持ち、小さなことにも喜びを見出すことができれば、日常の中に多くの幸せを感じることはできるということです。
「幸せ」は自ら選び取ることができる
もう1つ、「しあわせは いつも自分のこころがきめる」という言葉が示唆している重要なことがあります。それは、幸福は、個人によって選択可能なものであるということです。
相田さんの別の有名な詩「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」という言葉があります。これはまさに、物事の捉え方は自分で選択できることを示しています。自分の考え方、行動の選択で、感じ方だけでなく、世の中のあり方も変えることはできるのかもしれません。
同様に、もし困難な状況に直面しても、それをネガティブに捉えてしまうのか、それとも成長の機会と捉えたり、逆境を乗り越える力をつけるチャンスと捉えるのかで、見え方は180度変わります。ものごとをポジティブに捉えるのは、私たち自身の責任において行うものです。
まさに、「幸せは自分が決める」のです。
実践してみましょう
この詩の真意を理解するために、具体的な例を考えてみましょう。例えば、日常の中で何気ない瞬間に幸せを感じることができる人は、自分の心をポジティブな状態に保つことができています。
朝陽を浴びながらコーヒーを楽しむひとときや、家族との団らんの時間、自然の美しさに触れる瞬間など、これらはすべて心の持ち方次第で幸せを感じることができます。
逆に、同じ状況でもネガティブな心の持ち方では、不満やストレスを感じることになります。仕事での小さなトラブルや、人間関係の摩擦など、これらはどのように捉えるかによって幸福感に大きな影響を与えます。
幸せの鍵は心の中に
何度も言ってきたように、相田みつをさんの言葉は、私たちの幸福は、自分の心の持ち方にかかっているということを教えてくれます。心を整え、自分の感じ方や考え方をポジティブに保つことで、どんな状況でも幸せを見出すことができるのです。この考え方を実践することで、私たちは日々の生活の中でより多くの幸せを感じることができるようになるでしょう。
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