人生とは長いようで短いもの、あるいは短いようで長いものです。その数十年にわたる人生においては、楽しいことも、苦しいことも起こるものです。特に人は、人生における苦難や試練に直面したとき、それが、まるで終わりのない苦しみのように感じてしまうことがあります。
「止まない雨はない」「明けない夜はない」という言葉は、そのようなときに勇気をくれる言葉です。
止まない雨はないし、明けない夜はない。
これらの言葉では、「雨」や「夜」は、困難や試練のメタファーとして表現されます。雨の日が続くと、世界は昼間でもどんよりと薄暗く、空気はじめじめと湿り、不吉な雨音が永遠に続くように感じられることがあります。外出するのが億劫になり、鬱屈とした気持ちはさらに輪をかけていくこともあるでしょう。
「夜」は得体のしれないもの、恐ろしいもの、不吉なものの象徴として扱われることがあるように、やはりネガティブなイメージがつきものです。
しかし、どんなに長く感じられる「雨」「夜」でも終りがあることを私たちは知っています。それらが終りを迎え、新しい1日が始まることを、私たちは人生の中で何度も見てきています。
同じように、困難や試練も永遠には続きません。困難な状況が続いているとき、人はその状況が永遠に続くかのように感じてしまうことがあります。しかし、この言葉は、それが一時的なものであり、必ず終わりがあることを教えてくれます。
未来への希望が、次の一歩の原動力になる。
「止まない雨はない」「明けない夜はない」は、「希望」を象徴するフレーズでもあります。雨が上がるように、夜が明けるように、どんなに厳しい状況でも終りがあると信じて希望を失わず、来を信じることの大切さを強調しています。
信じるべき希望を失ったとき、人はすべてを諦めて前に進むのをやめてしまいます。「希望」は人が前に進むための最大の原動力です。この先に救いがあると信じることができるから、次の一歩を踏み出せるのです。この言葉は、先が見えない中でも必ず希望があるのだと押し当てくれます。そして、そう思えることで、人は困難に直面しても前へ進み続ける勇気を持つことができるのです。
ときには、時間が解決することもある。
「止まない雨はない」「明けない夜はない」という言葉には、ゆっくりだけれども時間は絶えず進んでいくものであるというニュアンスも含まれています。世の中には、時間によって解決されることが、私たちが想像するよりもたくさんあります。時間によって問題や苦しみが和らぐことがたくさんあるのです。
「待てば海路の日和あり」という言葉でも表されるように、じっと「待てば」やがて雨は”勝手に”止むし、夜は明けるのです。どんなに苦しい状況でも、時間を経ることで感情が落ち着き、状況が変わっていくものです。そのことに自覚的になることで、困難な時期を乗り越える助けになるでしょう。
バイオリズムを知る。
雨が止むことや夜が明けることは、自然の摂理であり、日常の一部です。私たち人間もまた、自然の一部として生きており、自分ではコントロールできないバイオリズムの中にいます。
人生には上り坂と下り坂があり、良い時期と悪い時期が交互に訪れるものです。「止まない雨はない」「明けない夜はない」という言葉は、その自然のリズムを認識し、受け入れることの重要性を示している、とも考えられます。
人生の中では、長く雨が続くこともあるのです。しかし、反対に晴れの日が続くことがあることも私たちは知っています。そこには自然のバイオリズムがあり、また素晴らしい日が訪れ、続く可能性があることを示唆しています。人生に「サイクル」があることを理解することで、困難な時期に過度に落ち込まず、次の良い時期を待つ心の余裕を持つことができるはずです。
行動に前向きな変化を。
「止まない雨はない」「明けない夜はない」という言葉は、受け身の希望だけでなく、変化を促すアクティブなメッセージでもあります。いつかは雨は止むことがわかっているのだから、立ち止まってうじうじしているのはもったいない、というメッセージです。
ときには、自分自身で晴れを見つける、あるいは夜明けを迎えるための行動を起こすことが大切であることを教えてくれます。そう、希望の種は目の前にすでにあるかもしれません。
絶望に支配されると、視野が狭くなり、小さな希望を見逃してしまうことが起こります。困難な状況を打開するためには、自分自身が積極的に動くことも必要です。意識的にアクティブに、前のめりになり周りをよく見てみましょう。近くに希望が転がっていませんか?
雨のあとには虹が出るもの。
困難や逆境に直面しているとき、長期間の試練に疲れ果てたとき、絶望感や無力感を感じているとき、あるいは大切な人を失ったときや目標や夢が遠のいていると感じるときなど、さまざまな「壁」があなたの人生に暗く影を落とすことでしょう。このような経験をせずに人生を終えられる人はいません。誰もが経験することなのです。
このようなときに、どう向き合い、乗り越えていくかはその後の人生の小さくない影響を与えることになるはずです。そう、雨のあとに、きれいな虹が空にかかるように、夜明けに美しい日の出が、朝焼けが世界を包み込むように、困難のあとには幸せなことが起こることがあるのです。
つねに前向きに、ポジティブに物事を捉えて、「希望」があることを信じて、確かな足取りで、次の一歩を踏み出しましょう。
コメント