幼少期の環境が与える影響とこれからの幸せ〜幸せのカルテ001〜

幸せのカルテ 「幸せになれない」カルテ
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幸せのカルテでは、過去にメールや質問箱でいただいたご相談事例をご紹介していきます(個人を特定できないよう、一部を改変して紹介いたします)。

今回は、29歳・女性、T.Yさんからいただいたお悩みです。

幼少期の環境が与える影響とこれからの幸せとは

はじめまして。私は29歳の女性で、保育士として働いています。最近、自分の将来に対する不安や孤独感が強まり、「自分は幸せになれないのではないか」と感じることが増えました。この気持ちについてカウンセリングを受けたいと思い、相談させていただきます。

現在、保育士としての仕事にやりがいを感じる一方で、長時間労働や低賃金による精神的・肉体的な負担が大きく、職場の同僚たちも同じような悩みを抱えているため、気軽に相談できない状況です。そうした職場のストレスに加え、将来に対する不安が日々募っています。

また、私の両親は早くに離婚し、母親が一人で私と弟を育ててくれました。母はいつも忙しく、私は弟の世話をすることが多かったため、自分のことを考える時間や自由があまりありませんでした。このような家庭環境が、現在の私の心境にどのような影響を与えているのかを知りたいです。

それに加えて、友人たちが結婚したりキャリアアップしたりする中で、自分が取り残されているように感じ、孤独感が強まっています。こうした状況から抜け出し、自己肯定感を高めてポジティブな未来を描けるようになりたいです。

カウンセリングを通じて、これらの問題に対する具体的な対処方法や心の安定を取り戻すための支援をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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幼少期の経験が人格に影響を与える

こんにちは。ご相談いただきありがとうございます。あなたが感じている不安や孤独感、そして将来に対する漠然とした不安についてお話ししていただき、本当にありがとうございます。

まず、あなたが保育士として日々の業務に全力で取り組み、多くの子どもたちに笑顔を届けていることは素晴らしいことです。保育の現場は確かに厳しい環境ですが、その中で子どもたちの成長に寄り添うことができるのは大きなやりがいでもあります。ただ、そのやりがいの裏には、多くのストレスや負担が伴っていることも理解しています。あなたが感じている疲労感や不安は、決して特別なものではなく、同じ立場にいる多くの方々が感じていることでもあります。

両親の離婚や母親の多忙さの中で、あなたが弟さんの世話をしてきたことは、とても大変だったことでしょう。その経験は、あなたに強い責任感や自立心を育んだ一方で、自由な時間や自分自身を見つめる時間が少なかったことが、今のあなたの心の重荷となっているかもしれません。子どもの頃に背負った責任が、今のあなたの生活や心の状態にどのように影響しているのかを一緒に探っていきたいと思います。

大きく分類すると、5つの影響が考えられます。

1. 過剰な責任感とプレッシャー

幼少期に弟さんの世話をしていたことで、あなたは早い段階から大きな責任を感じるようになったと思います。この経験により、強い責任感や他者を支える力を養った一方で、過剰なプレッシャーを感じることもあったでしょう。これが、現在の職場でも自己要求が高く、他人の期待に応えようとするあまり、自分自身を犠牲にしてしまうことにつながっているかもしれません。

2. 自己犠牲の傾向

家庭の中で自分の欲求を抑えて弟さんの面倒を見ることが多かったため、他者を優先し、自分の感情やニーズを後回しにする習慣が身についた可能性があります。この自己犠牲の傾向は、現在の仕事や人間関係においても現れ、ストレスを感じてもそれを表現することが難しい状況を生んでいるかもしれません。

3. 自己肯定感の低下

家庭環境が厳しかった場合、自分自身を肯定する機会が少なかったかもしれません。その結果、自己評価が低くなり、現在のような「自分は幸せになれない」と感じる心境に影響を与えている可能性があります。幼少期に受けた影響で、自分の価値を正当に評価するのが難しくなり、他人と比較して自分を低く見積もることが多くなってしまっているかもしれません。

4. 独立心と孤独感

早くから独立して家族をサポートしていた経験は、あなたに強い独立心を育てた反面、孤独感を感じやすくしている可能性があります。自分だけで問題を解決しようとする傾向があり、その結果、周囲に助けを求めることが難しく感じられる場合もあります。これが、友人たちが結婚やキャリアアップをしている中で、孤独を感じる要因の一つかもしれません。

5. 感情の抑制

幼少期から自分の感情を抑えてきた場合、現在でも感情を素直に表現することが難しいと感じるかもしれません。この抑制された感情が、時折強い不安やストレスとして現れることがあります。感情を適切に表現し、処理する方法を見つけることが重要です。

これらの要因が複合的に作用して、現在のあなたの心境に影響を与えている可能性があります。これを理解することで、どのように対処し、改善していくかを見つけるための第一歩となります。カウンセリングを通じて、これらの問題を一緒に探り、具体的な対処法を見つけていきましょう。

少しずつ、あなた自身の感情やニーズを認め、大切にすることができるようにサポートしていきたいと思います。どうぞ、一緒に前向きな変化を目指していきましょう。

明日の自分に少しの変化を

明日からの自分を変えていくための最初のステップとして、以下のポイントの中で、できそうなものから少しずつ始めてみましょう。これらは自分自身への理解を深め、ポジティブな変化を促すための基本的なアプローチです。

1. 自己認識と自己受容

自分の感情や思考、行動パターンを理解することは最初のステップとして有効です。以下のような方法を試してみましょう。

日記を書く

毎日の出来事や感じたことを書き出すことで、自分の感情や考えを客観的に見ることができます。方法は問いません。ノートに手書きでもいいですし、スマホなどのデジタルツールを使って書き出すといった方法でも構いません。

自分の強みと弱みをリストアップ

自己評価を高めるために、自分の良い点や改善したい点を認識しましょう。ネガティブな気持ちになっていると、弱い点、悪い点ばかりが浮かんでくるものです。

しかし、誰にでも、もちろんあなたにも素敵な長所、強みが必ずあります。過去の家族や友人との些細な会話を思い出し、どんなところが受け入れられているか、また褒められた経験があるかを書き出してみましょう。

マインドフルネス

「マインドフルネス」とは、瞑想などにより、”今この瞬間” の自分の心身や周りの状況に集中し、自分の思考や感情、行動などについて向き合うことを指します。今ここに集中し、自分の感情や身体の状態を観察することを習慣化していきましょう。

2. 感情の表現と共有

自分の感情を適切に表現し、他人と共有することが大切です。これにより、心に堆積した負担を軽減し、人間関係を深め、ひいては自分自身の開放にもつながります。

信頼できる友人や家族と話す

自分の気持ちを大切な人に素直に話し、思っていることを共有することは、今後の人生を充実したものにする上で非常に重要です。あなたが心を開くことで、相手も心を開いてくれ、心地よい関係性を築き、理解とサポートを得るきっかけになるでしょう。

感情を言葉にする

感じたことを具体的な言葉で表現する練習をしましょう。例えば、「私は今、○○で不安を感じています」といった具合です。これは必ずしも口に出す必要はありません、自分の感情を客観視し、”モヤモヤ” を言語化することで、対処の方法が見えてくることがあります。

3. 自己ケアの実践

自分を大切にし、日常生活に自己ケアの時間を取り入れることが重要です。

趣味やリラックスの時間を作る

心の緊張が続くと、ストレスがつねに感情を縛ることになります。身体と同じように、心にも休息を与えることを意識しましょう。例えば、自分が楽しめる活動やリラックスできる時間を意識的に取り入れましょう。

運動や健康的な食事

身体を動かすことやバランスの取れた食事を心がけることで、心身の健康を保てます。

4. 小さな目標設定

大きな目標に向かって一歩ずつ進むために、小さな具体的な目標を設定しましょう。

具体的で達成可能な目標を立てる

例えば、「毎日10分間の散歩をする」や「週に一度、自分のための時間を作る」といったような、小さくて具体的な目標を設定します。高すぎる目標はモチベーションを下げることになります。かといって簡単すぎる目標もやりがいの低下につながるため、少しのがんばりが必要だけれど、難しくはない目標がよいでしょう。

目標達成を記録する

小さな成功体験は、次のチャレンジへの大きなモチベーションになります。達成した目標を記録し、自分の進歩を確認することで自己肯定感を高めましょう。

劣等感を感じる必要はありません

ご友人たちがキラキラしているように見え、ときには羨ましく感じたり、自分が惨めに感じたりすることもあるかもしれません。あなたが感じている孤独感や取り残されているという感覚は、とても自然なことで私自身も同じような経験があります。こうした不安や焦りを感じることは、誰にでも起こり得ることです。

そんなあなたに、私からいくつかのメッセージを送りたいと思います。

あなたのペースを大切にしよう

まず、他人の人生と自分の人生を比べることはできるだけ避けるようにしましょう。それぞれの人には、それぞれのペースやタイミングがあります。何より大切なことは、あなたのペースで進むことです。

「幸せ」の軸は、つねに、どんなことがあっても自分の中にあります。他人と比較せず、自分が何を大切にしたいのか、何を目指したいのかを見つめ直す時間を持ってみてください。

小さな成功を認識しよう

毎日の生活の中で、あなたが成し遂げている小さな成功に目を向けることが大切です。保育士としてのあなたの貢献は、とても、とても、価値があることです。今、目の前にいる子供たちの成長や笑顔は、あなたのおかげで生まれたものです。こうした小さな成功を積み重ね、自分の努力と成果を認識することで、自己肯定感を高めることができるはずです。

自分の価値を見つけよう

あなたの価値は、結婚やキャリアアップといった外部の要因だけで決まるものではありません。あなたが他人に与えている影響や、あなた自身の中にある強みや長所を見つけ、自分自身で認めてあげることが大切です。自分の価値を見つけるために、自分が楽しめることや得意なことに時間を費やしてみてください。

ときにはサポートを求めよう

繰り返しになりますが、孤独感を感じたときには、信頼できる友人や家族に気持ちを共有してみてください。ときには、同じような気持ちを抱えている人がいるかもしれませんし、話すことで心が軽くなることもあります。また、趣味や興味を共有できるコミュニティに参加することも、新しいつながりを作る良い方法です。

将来のビジョンを描こう

自分が望む未来を描くことも大切です。結婚やキャリアアップに限らず、あなたが本当に望む生活や価値観を見つめ直してみてください。短期的な目標と長期的な目標を設定し、それに向かって少しずつ進んでいくことで、ポジティブな未来を具体的に描くことができます。

心のケアを大切にしよう

日常の中で、自分自身を大切にする時間を持つことも忘れないでください。リラックスできる時間や、自分が楽しめることに時間を使うことで、心の健康を保つことができます。

自分自身を認め、大切にすること

あなたが感じている孤独感や不安は、決して一人で抱え込む必要はありません。自分自身を大切にし、周りのサポートを受けながら、一歩一歩進んでいくことで、自己肯定感を高め、ポジティブな未来を描けるようになるでしょう。あなたの人生はあなた自身のものであり、その価値は他人と比べるものではありません。あなたの強みや成果を認識し、自分のペースで進んでいくことが大切です。

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